企業理念を作ろう

おちゃのこネットの経営理念は「世界中の商売人さんを笑顔にする」と定めました。コンタクトはどうしようかと考えています。同じでもいいんですが、ECに特化しているおちゃのこネットとはちょっと立ち位置が違う。

「地方を元気にする」がいいんじゃないかなと思っていますが、抽象的すぎるとご意見番からNG出たのでもう少し考えます。

問われるのは、What 何を、Why 何故、How どのように、の三点です。自分が提供しているものは何なのか、なぜそのサービスを手がけているのか、どのようにその価値を実現しているのか。改めて考えると言葉にするのはなかなか難しい。理念をひと言で表すのは更に難しいものです。

私が独りよがりで決めるべきものではなく、スタッフみんなが共感を持って抱ける理念を言葉にしようと思います。

外部資金調達の是非

東京で人に会って、新しい刺激を得てきました。

最初は、エスクローの会社。信託会社でないと免許がないので、この相談を出来る先は限られています。片っ端から当たりましたが、基本的にメガバンク系は全滅。あまりにサービス設計が古くて手数料が割高で我々のサービスの間尺に合わない。カルチャーも古いので、新しい提案をしても本部が取り合ってくれないです。今回お世話になるのは比較的小規模で、社長さんの感覚が新しいところ。アメリカのサービスなんかもよく研究されてて、今後のトレンドを理解されています。関西出身で気が合うのもいい。とにかく話が早いです。

もう一社は、WMS(Warehouse(倉庫)Management System)系の新興企業。社長さんもお若い方。但し、既にVC何社かから資金を引っ張ってしまっています。当初はサービスの買収を考えたのですが、それはやはり無理筋ですね。特定の企業色が付くのは先方にとってもメリットになりません。

実はもう一社同じくWMS系の会社が知り合いにありまして、そこの社長とは古い付き合いなのですが、そこもある事業会社さんから資本を引っ張ってきてしまっています。これが吉と出るかどうか。

資本政策の難しいところは、後戻りできないところ。一旦色が付くと、消せないんです。よくよく考えないと、目先の資金欲しさにオファーを呑むと後悔します。ウチは今のところ自己資金だけなのが強み。今後の資金調達は慎重にいこうと思います。

ユーザーインタビューの重要性

いまCARZYの立ち上げ準備中なので、初期のターゲットユーザーさんにプレゼンとインタビューに歩いています。まだ始まったばかりですが、ここで得られる気付きはとても貴重です。早速ビジネスモデルの修正点が幾つもあります。これをせずにサービスをリリースしていたら大変なことになっていたはず。新規ビジネスの立ち上げに必須のプロセスと言えますね。

おちゃのこネットを立ち上げた2004年あたりには、まだこういう手法が共有されていませんでしたが、今はベンチャー向けの教科書に全部書いてあります。知識が蓄積され、伝承され、成功確率の高い方法がシェアされていく。いいことです。

ベンチャーのリスクが低減して期待値が高まれば、それだけ優秀な人を引きつける吸引力になります。それは社会の活性化にとてもプラスになること。親が子供に起業を勧める。そんな社会の実現を目指します。

リモートワーク宣言!

今日ある方とお話してまして、ウチの働き方は古いのかなと感じました。例外はありますが、基本は週5日フルタイムで出社してコミットするのが前提のスタイルです。育児や兼務の兼ね合いでリモートワークの人も一部はいましたが、それはあくまでイレギュラーという認識で会社として制度化していたわけではありません。オンラインよりも対面コミュニケーションを重視してきました。しかし今、優秀なエンジニアの採用というカベに直面しています。

今日の方は、まだ創業から年数も経たないのに既に20名ほどのエンジニアを抱えているそうです。常駐を求めていては優秀な人は採れませんと仰ってまして、そこは同意せざるを得ません。そうか、今こちらの価値観の転換を求められているんだな、変わらないといけないんだな。そう強く感じました。

今ウチで複業してくれている岡田さんは、サイボウズの西日本開発部の部長職にあり、リモートワークの率先推進者でもあります。こちらにある通り、リモートワークを導入するにあたっての注意点も指摘してくれています。一番大事なのはリモートワークをしない人の気持ちに配慮することだ、というアドバイスはとても大切だと思います。

簡単なことではないと思いますが、それでも会社が上のステージに行くためには避けて通れない道なのだとも考えます。チャレンジしてみようと思います。

人は変われるか、変われないか

人は簡単には変われない、と言います。幾つになっても、基本的な性格や行動パターンは概ね幼少時に培われたものがキープされます。よほどのことがない限り、いえあったとしてもなかなか変わるものではありません。なので、短所を矯正するのではなく、引き出しを増やす方向でスキルアップを考えるのが吉になるわけです。自分の短所は長所の裏返しでもあるわけですから。

矛盾しているように聞こえるかも知れませんが、人生に手遅れなし、とも思っています。人は幾つになっても、自分が本気で変わる気になれば変われる。基本的な性格を変えることが難しくても、対応や表現方法を変えることはできるはず。変えるより、増やす、が正しい見方かもしれません。

最近、自分も含めて色んな方の人生の転機に立ち会うことが多い気がしています。そういう年齢なのかもしれません。自分の引き出しはまだまだ増やせるんだと信じて、正しい方向に進みたいと思っています。そして周囲の人にポジティブな影響を与えたいものです。

リファラル採用が最強

ここのところずっと採用で頭を悩ませてきましたが、ようやく答えが見えてきた気がします。結論。リファラル(紹介)採用が最強。

但し、リファラルが機能するためには条件があります。それは紹介しようという気にさせること。当たり前ですが、これは社員に誰かを紹介してもらう場合も同じです。当然ながら、自分の会社の待遇や将来性をそのスタッフが信じていなければ誰も紹介なんてしてくれません。紹介があがってこないと嘆く前に、どうして紹介してくれないのかその理由を考えなければいつまでも成果は出ないでしょう。これは根が深い問題です。

そのためには、何よりもまず経営者自身が自分の会社の未来を信じなければなりません。何を当たり前のことをとお思いかもしれませんが、意外と経営者が自分の会社の未来に懐疑的ということは多いのです。もちろん誰しも不安と戦いながら日々経営を摸索しています。先の見通しがはっきり立たないのは当然です。それでも自分の未来は明るいと心から思えること。これが大事。やることをやりきっているという手応えがないとポジティブな観測が持てないものだと思います。一番重要なのは、ベースの部分に大きな志があることなんじゃないでしょうか。全てはこれが出発点だと、最近つくづく感じます。

リファラル採用の良いところは、採用する前の段階から本人のスキルに見当がつくこと。予想を大きく外すことがない。良い人は、必ず同等の良い人を連れてきてくれる。勿論、イマドキの採用は打てるべき手段は全部打つべきです。それでも採れるかどうかは分からない。でも一番力を入れるべきはリファラル採用なんじゃないかなと思います。それはとりもなおさず、経営者とスタッフ、その会社の真価を問われる場面なのでしょうね。

テレビ会議しましょう

最近、若い経営者さんや担当者さんとやり取りしていると、「じゃあテレビ会議しましょう! 来週の××曜の△△時に」なんてことが多いです。これ、いいですね! 私の世代だとどうしても「じゃあ一度お伺いして」なんてことになりがちなんですけど、イマドキはパソコンでオンラインミーティングできるツールがありますからわざわざ出向く理由がないんですよね。最近も東京と博多の方と会議しまして、決まった時間に顔を見てご挨拶して、一時間ほどお話しして、じゃあまた、で終わるの本当に新鮮です。これから東京だ神戸だってロケーションを気にする必要もないわけで、本気で地方で仕事できるじゃんと思ってしまいます。いやあ、良い時代ですね。問題はオッサンの古い発想です。頭を切り替えないと、ね。

地方で働く意味

社員はほとんどエンジニア! 東京・仙台・北九州・鯖江の4拠点で「エンジニアの幸せな働き方」を追求するメンバーズエッジの開発スタイル

上記はたまたまエンジニアとしての働き方を紹介していますが、全ての職種で話は共通だと思います。キーワードは「自分を高められる環境」「クオリティ・オブ・ライフ」。この二つがハイレベルで満たされた時に高い満足度が得られるのでしょう。そしていま、この二つを満たすための環境としては実は東京は不利なんじゃないでしょうか?

考えてみて下さい。今までの東京のメリットは、人の集積です。面白い人と一緒に働こうと思えば東京が一番だった。しかし人はのべつ幕なしに人と会っているわけではありません。一定の人脈が既にあるのであれば、普段は地方にいて必要な時に上京すればそれで用が足りるのではありませんか。普段のコミュニケショーンを支えるインフラが充実しつつあるのですから、TV会議やオンラインコミュニケーションツールで日常の連絡は補い、ここという場面で出張する。それでなんの問題もない気がします。それに気が付きつつある企業、個人が増えているのが現状なんじゃないでしょうか。価値の高い仕事をすること自体は地方でもできるんです。発信手段は揃いました。人の繋がりさえキープできれば、もはや東京にいなければならない理由はない時代なのです。

逆に、デメリットはなんでしょうか。一番分かりやすいのは、住宅事情です。都内の通勤に便利な場所で戸建てに住むのはハードル高いですよね。買えてもかなりの狭小住宅を覚悟せねばなりません。当然ながら通勤地獄は解消しませんから、毎日トータルで2時間以上も満員電車の中で過ごすわけです。疲れない方がおかしいと私は思いますね。教育も医療も、ハイレベルな施設やサービスは東京にあると思いますが、それ必ず混んでますよね。同等クラスのサービスは地方都市にもあります。待ち時間なしで利用できるなら、トータルコストパフォーマンスは実は地方の方が高いんじゃないでしょうか。

最後の判断材料は、地方の仕事の質なんでしょうね。本当に魅力的な受け皿があるかどうか。そこは我々地方企業の努力次第です。将来性を感じられて、人を大事にする良い会社を作ること。そこを本気でご用意しようと思っています。多分お子さんが私立中学に入学とかしちゃうと動きにくくなると思いますので、20〜30代の方に早い段階で選ばれる存在になりたいです。

店は立地が大事と思ってらっしゃる方へ

山の上のパン屋に人が集まるわけ

色んな意味で、スゴい。ECやってらっしゃる全ての方に一読をお勧めします。

実店舗の商売の常識。お店は立地が大事。これに真っ向から立ち向かいます。まず、店の場所が山の上。これはGoogle Mapの3Dビューですけど、なかなかの田舎っぷりですよね。ここで商売を成立させてしまう経営力。これはもう立地を言い訳にはできませんよね。感服です。ビジネスモデルの変化のさせ方や、採用と働き方改革、商品開発、メディアコミュニケーション。ネットショップの経営に必要な全ての要素が詰まった記事です。

普通の方にはここまでの経営はできませんが、逆に考えればやる気一つでここまでのことがやれるんだという実証例でもあります。小さくても、地方でも、知恵と工夫で商売はできる。とても勇気を頂きました。

人と会社の成長ステップ

会社は経営者の器以上には大きくなりません。会社を成長させたいなら、経営者が人間的に大きくなることが必要です。その成長曲線は一定の右肩上がりの直線ではなく、階段状のグラフなんでしょうね。ある局面でカベにあたる。そこを乗り越えて一段上に上がる。その繰り返しなのだと思います。だからシンドイ時に目の前のカベを突破できないと、そこで成長が頭打ちになる。一番ありがちなのは、やらない理由を探してしまうことだと思います。
「現状でボチボチ儲かってて悪くないからそこまでやる必要ある?」
「自分が本当にやりたかったことは何だっけ?」
ここで自分探しのループに入ってしまうと、迷走しそうですね。

迷ったら、やってみればいいと思います。やって、それから判断する。私たち中小企業の経営者は皆そうしてきたはず。でも長期的な自分のロードマップは常に意識した方がいい。どこを目指すのか。どうありたいのか。ここが明確にイメージできていないと、具体的なアクションにも落とせないと思います。ここで新規投資に踏み切るのかどうか、人を新たに採用するのかどうか、決めれませんものね。

多分、何年かに一度は自分のビジョンを棚卸しした方がいいんでしょうね。時代も自分も変化するわけですから、ビジョンも方針も変わって当たり前。でも上を見て成長する姿勢だけは忘れないようにしたいものだと思っています。見たことのない風景を見てみたい。それが私の根源的なモチベーションです。

デフレの終わりが来たのかも知れない

違うこと書こうと思ってたんですが、寄り道してる間にこんなこと考えました。「いよいよ失われた20年のデフレモードから脱却しようとしているのかも知れない」

随分長いこと、デフレ思考でしたよね。バブル崩壊、ネットの登場、ユニクロの登場、100円バーガー、牛丼戦争、Amazon、ヤフオク、メルカリ、シェアリングエコノミー。全部デフレの流れで出てきたサービス、トレンドだと思います。結局全ての根本原因はネットの登場にあるのだと思います。日本は、バブル崩壊とネットの波の影響をダブルで被ってしまった。グローバル化の流れで製造業の海外流出が起こり、安価な海外労働力との競争を強いられ、いつ終わるとも知れない泥沼に陥ってしまったのが日本の状況。それが今、人口減とブラック労働排除という新しい波が生まれ、人手不足という大きな潮目の変化が起きているんじゃないでしょうか。

その一番分かりやすい表れが、配送コストの増大です。物流業界の人手不足は、もう個別企業の努力でどうにかなるものではありません。今まで16時間労働で成り立っていたものが8時間労働に移行すると、同じ量を処理するのに倍の人数が必要になります。そりゃ送料を値上げしないとやってられません。これから、全てのネットショップにこの送料問題が押し寄せて来ます。すると、どうなるか?

安売りだけしか特徴のないお店は潰れます。薄利多売のビジネスモデルはもう続けられない世の中になっていくんじゃないでしょうか。だって日本の少子高齢化は止められませんものね。外国人労働力を短期に輸入することもできませんよね。人手不足は物流業界に限った話ではありません。イマドキの若い人は3K職場なんて敬遠しますから、ブラックな職場に絶対に人はやってこないんですよ。エンジニアの採用をしていて、それはひしひしと感じます。これが全ての日本企業の常識になっていくんだと思います。だからあのハードワークの日本電産が働き方改革なんてことに真面目に取り組んでるんですよね。

これからの日本のポジショニングは、気の利いた製品・サービスを高付加価値で売るところにしか活路はないと思います。みんな心の中では薄利多売はシンドイと思いながら脱却出来ていなかったと思いますが、これからいよいよこの問題を避けては通れないようになってきたのです。智恵の見せ所ですね。

「芝麻信用」の脅威



「信用」が中国人を変えるースマホ時代の中国版信用情報システムの「凄み」

一年前の記事ですが、読んでいて寒気がしてきます。中国という共産党一党独裁国家だからできる、できてしまう、情報管理国家の恐ろしさ。
点数が低いとホテルに泊まれず

中国で航空券や列車のチケットの購入に統一の身分証での番号登録が必要なので、芳しくない前歴があると航空機や高速鉄道などの利用が禁止され、移動には在来線やバスを利用しなければならない

新卒学生に対しても『芝麻信用』の評価点数を参考にする
点数が低いと新幹線(高速鉄道)に乗れないんですよ! これはさすがに他の先進国では受け入れられない仕組みだと思いますが、思いたいですが、実はAli payは既に日本で着々と浸透しつつあります。

試しにAli payのアプリを入れてみました。アカウント自体はすぐに作れますが、今のところ中国国内の銀行アカウントがないと紐付けてチャージができないみたいですね。AliExpressにも登録してみましたが、紐付けの方法が分からず断念。後でもう少しやってみます。

既に日本国内でAli payが使える場所は相当広がっています。コンビニ各社、百貨店、家電量販店、ドラッグストア、ユニクロなど。今のところは中国人観光客向けですが、インフラが行き渡ればこれを日本人向けに解放するのはすぐできます。知らないうちに世界がAli payの信用ネットワークに絡め取られていた、なんてことになれば悲劇です。

しかし、それを止められるのか? 自分の信用情報を中国企業に握られる。ローンの審査もAli payの信用次第。そんな未来は嫌だな…。

勉強会を開きます

私が今の教育に感じている違和感は、横並びの同調圧力にあります。人と同じが強制され、型にはめる教育。規定のペーパーテストで良い点を取る生徒が優秀。でも本当にそれでいいんですか?

社会の要請は変わってきていますよね。忠実に手を動かしてくれる人も大事ですが、私が本当に欲しいのは一緒に経営課題に取り組んでくれる人です。そもそも何が課題なのか課題の設定に始まり、それにどう対処していくのか、形のないストーリーを一緒に紡いでいくブレーンが欲しいのです。これはどんな組織でも同じなんじゃないでしょうか。

世の中がなんとなく弱者の目線に偏りすぎている気がしています。弱い人を引き上げる努力も勿論大事なんですが、今の日本の弱点は飛び抜けた異能のリーダーが少ないことなんじゃないでしょうか。つまり、伸びるべき人が伸びていない。変わったことを言う人、人とは違う価値観の人を寄ってたかって潰してしまう嫌なプレッシャーを感じて仕方がないのです。ホリエモンなんてその被害者の典型なのではないですか。

私がなにかできるわけでもないのでこんな提言も口幅ったいことなんですが、おちゃのこネットのお店さんでも本当はもっと上を目指せる方が一杯いらっしゃるはず。いや、一杯はいないか…。でもポテンシャルをお持ちのお店もいらっしゃると思うのです。私は、おちゃのこネットのご利用者の中から上場する方が出るのを見たいんですよね。上場が必ずしも是ではないんですが、いつでも上場できるくらいの中身の会社さんがゴロゴロいる。そんなおちゃのこネットであったら素晴らしいなと思います。

実はとても有能な指導者さんと知遇を得まして、勉強会を開きたいと思っています。私だけで独り占めするのはあまりに勿体ないので、なにか良い刺激を与えたいのです。どんな形になるか分かりませんが、やってみます。

おちゃのこフォトをリリースしました


おちゃのこフォト

iPhoneからカンタンに写真をアップできるアプリ「おちゃのこフォト」をリリースしました! おちゃのこネットから初めてリリースするスマホアプリです。苦労して開発したアプリがApp Storeに並んでいるのを見ると感無量です。

機能としては非常にシンプルで、

 ・写真のアップロード
 ・削除
 ・フォルダー移動
 ・フォルダー作成

の四つの機能しかありません。しかし、当面これで充分用が足りると思います。沢山の機能が盛り込まれて埋もれてしまっているおちゃのこネット本体と違い、最低限必要な機能をシンプルにお届け。これがサービスの原点なんですよね。沢山の方にご利用頂けると嬉しいです。

関連した話なのですが、Evernoteを苦しめる「5%問題」
Evernoteで出来ることのほんの5%しか使っていなかった
Evernoteが多機能すぎるが故に抱える問題
問題は、この5%がユーザーによって異なること
という記事を読んで我が事として身につまされる思いがしました。肥大化したおちゃのこネットの技術的負債とどう付き合うべきか、非常に悩ましいところなのです。
SnapchatのCEOであるEvan Spiegel氏は、チームが開発したものの多くを実装せずに廃棄していることを明かし、「我々は、チームが開発しているものの恐らく1%ほどをリリースしています」とコメント。
これも衝撃のコメント。開発して捨てるというのはさすがに辛すぎるので、最初から何を開発すべきなのかよくよく見極めて作る、ことを目指したい。そのヒントは、今取り組んでいるスクラム開発の手法にあると思っています。スピーディーにプロダクトをリリース、改善して、顧客満足度を上げる。このサイクルを上手く回したいですね。

採用の手段について


なかなかエンジニアの採用が難しいご時世ですね。採用の手段を各種まとめてみました。

●求人広告媒体
 Wantedlyやマイナビ・リクナビ等の媒体に求人広告を打つ。一番ノーマルで、どこの会社もまずはこれを考えると思います。昔と違って媒体が増えているので、とりあえずリクナビに出しとけ、という時代ではありません。しかし共通して言えるのは、結局こちらの企業ブランドが弱いと訴求はしないということ。当たり前ですが、同じ媒体に誰もが知ってる有名企業から独自の取り組みで知られるユニークな企業まで、それこそ山ほどの求人情報が一覧でズラッと並ぶわけです。その中から自分の会社が選ばれる理由がなければ応募はありません。とがったサービスやブランドを持ち合わせない普通の企業ではひと目を引くのは困難です。なにか目を引くキャッチーな広告を智恵を絞って作るしかありませんが、難易度の高い試みであるのは事実です。企業ブランドは一日にしてならず。自社のブランドの弱さを痛感します。

●人材紹介会社
 次はやっぱり紹介会社にオファーを出すことでしょうね。アデコ、マイナビ、パーソルあたりにお声を掛けますが、正直彼らも良い人材は大手に採られるので中小向けにタマを用意することは難しく、なかなか成果に結びつきません。ここでもブランドの強弱は結果に直結するのです。

●人の紹介
 リファラル採用なんて言いますが、要するに誰かに紹介してもらうことです。実はこれが一番堅い。社員であれば社風や実際の仕事内容をよく分かった上で、しかも相手の気心も知れている人にアプローチするわけですから、上手くタイミングが合えば成立する確率が高い。勿論日頃から社員を大事にしていなければ人を紹介しようなんて思ってくれないわけですから普段の行いが大事ですが、これが重視されるのは遅いようで早い一番の王道の手段であることが見直されたということですね。私は今まで身内を会社に入れるのは避けてきましたが、実は縁故採用も悪くないのかもと思い出しています。普通では採れないレベルの人材を獲得できるいいチャンスなのかもしれません。

●新卒採用
 これは私が過去に失敗した経験があるので、ちょっと避けています。教育体制がないとせっかく採れても定着が難しいかもしれませんね。

●副業
 これ、意外と狙い目なのかも。最近は副業OKの会社も増えつつあり、社会的に容認される方向です。何より、少なくとも現時点では副業をしようという気のある人は優秀な人が多い印象。本人が転職にどこまで前向きかはケースバイケースですが、双方のお見合い期間としては悪くない取り組みだと思います。実は副業を割と専門に扱う紹介会社というのもあるらしく、今アプローチしています。(どういう会社があるかはご自身で探してみてくださいw)

●インターン&学生アルバイト
 これも上記の副業志向の人と同じく、学生という気楽な立場で会社を生で観察できるいいお見合い期間なのです。殆どの場合はだからといって新卒採用に結びつくわけでもありませんが、ウチでは学生アルバイト時代の関係が10年経ってから大きな花が咲きました。例外かもしれませんが、可能な限りタネをまいておくことは大事だと思います。

●業務委託
 どうしても人が採れない、でもリソースはほしい。こうなると業務委託の形で開発者を外から連れてくるしかありません。常駐形態で請けてくれるかどうかは受託する会社次第ですが、結果的にこちらを気に入ってくれれば流れで転職という可能性もあります。ただし、その場合は受託会社との関係が悪くなると思われるので、何度も使えない裏技に近い手段なのかもしれません。

●M&A
 同列で語るのも憚られる本物の裏技ですが、人を抱えたいなら会社ごと丸呑みする手もあります。これは相手方の経営者とのリレーションや、経営マインドの変化など、タイミングが大きな影響を及ぼします。お互いに意気投合して合流して大きな目標に向かう、なんてのが理想形ですね。買収する場合は勿論資金力も求められますので、小さな会社には現実的とは言えません。

こうして列挙してみましたが、恐らくこんなにエンジニアが採れないのは史上初の状況だと思います。そしてこの状況は当面変わらない。それどころか、この先もっと求人市場は逼迫するのかもしれません。それは世の中の全ての仕事でITエンジニアの果たす役割が重要になっていくからです。ハードウェアのコストは年々下がっていきますが、サービスを実装するのが人手による手づくり対応である限り未来永劫エンジニアは取り合いなんじゃないでしょうか。よほど教育環境が変わるか、海外から思い切って人材を大量輸入しない限り抜本的には変わりそうにありません。その意味では、今いるエンジニアを大事しないと、もう同じレベルの人は採れないのかもしれませんよ。人を大事する社会になるという意味では良いことですが。