納税意識

多分普通の勤め人さんは自分が納税者だという実感をあまり持っていないと思います。

私もそうでした。

実感しているのは、経営者さんじゃないでしょうか。

半期に一度の源泉納付、半期に一度の決算(中間)納付、毎月の社会保険料、年に一度の労働保険。

がっつり通帳から引かれる金額の大きさ、資金繰りに大きな影響を与えるんですよね。

あと頭が痛いのは半年ごとの賞与ですけど。(笑)

だからこういうまとまった支払のない通常月にコツコツお金を貯めておいて、がっつり持って行かれる繰り返し。

お金なんて貯まりませんよね〜(涙)



こうやって苦労して納付している税金を、前向きに、まともな事に使って欲しい。

民主党とか、労組出身の方は、こういう現場のお金の感覚を持ち合わせてるんでしょうか。

国民全員が、給与からの天引きじゃなくて毎年確定申告して税金納付してれば、もっと政治への関心が高くなると思うけどな…。

CARZY創刊準備

CARZY



足掛け一年半、ようやく発刊まで漕ぎ着けました。

長かった…。

最終調整中なので、もうすぐコンテンツを最終確定して、Appleにアプリの申請を出す予定です。

審査に二週間ほど掛かる見込みなので、順調に一回でパス出来れば、9月中旬に発売開始です。

色々ドキドキ。

通信インフラの重要性

民主党の代表選について書く気もしないので、欧米の通信インフラについて。



ここ数年、いわゆる欧米先進国を一通り(ドイツ・イタリア・イギリス・フランス・アメリカ)廻っての体感なのですが、日本のブロードバンドの普及度合いと比較して著しく劣ると思います。

韓国は未訪問なので分かりませんが、恐らく日韓の両国が世界の双璧ですよね。

これはApple本社の知人に聞いたのですが、何とシリコンバレーでも光ファイバーなんてものはほぼ無いと言ってよい状態で、大部分が相変わらずADSLなのだそうです。

CATVもありますが、どちらにしろスループットは非常に遅く、私自身ホテルではどこも1Mbpsに満たないスピードしか確認出来ませんでした。

想像してみて下さい。

日本が光ファイバーで100Mだ、160Mだと言ってるのに、片や300Kbpsとかなんですよ。

あれでよくiTunesでコンテンツ配信だとか、Lionのオンライン配信なんかやりましたよね。



当然携帯電話のデータ通信速度も酷いもので、日本のSoftbankにケチを付けている人は外国の通信事情を肌で感じてみた方が良いと思います。

多分、docomoの品質が世界的に異常なんですよ…。

あと、海外のキャリアは、契約当事国以外でのデータローミング定額制を用意していないことが多いそうです。

つまりアメリカのiPhoneユーザーは、外国旅行した時使えないんですね。(いや、青天井の通信料金を甘受すれば使えますけど…)

これは日本が進んでる。

Softbankがこっそり海外ローミング定額制の料金を引き上げてた(2011年7月より料金改定)のはどうかと思いましたが。



全てのWebサービスは、充実した通信インフラあってのもの。

逆に言えば、よく各国はあの貧弱な通信インフラであれだけのWebサービスを使ってるな、と。

良好な環境が良いサービスを生み出す土壌になるのか、というとそうは言えないのでしょうけど、少なくとも消費者はこの強みを存分に享受したいものですね。

あ、だからこれだけ日本はスマートフォンシフトが激しいのか。

PC要りませんものね。

とすると、DeNA・greeといった今好調なソーシャルゲーム企業は、見事に環境を活かした経営をしていると賞賛されるべきなのかも知れません。

事業内容はあまり評価しませんけど…。

アメリカ訪問雑感

忘れないうちにまとめておこうと思います。



今年の夏は4年振りにアメリカで過ごしました。前回は2007年1月にラスベガスのCESを見に行きました。当時はまだカーナビの販売にまつわる仕事の参考にという程度の目的でしたが、初めて海外でレンタカーを借りて走った貴重な体験をしました。着いたのが夜の20時ほど。慣れない英語にドギマギしながらレンタカー会社の窓口でクルマを受け取って、初めての海外仕様ナビが英語でしゃべる案内音声にパニクり、LAのラッシュと圧倒的なフリーウェイの規模に圧倒されて走り続けた、緊張と興奮の5時間でした。



あれから数年掛けて主にヨーロッパの先進各国を廻りました。ドイツ・イタリア・イギリス・フランス。各国をそれぞれ三週間ほど、2,000km超走る旅を四年ほど続けて、かなりヨーロッパの道路事情については肌で理解が出来たと思います。乱暴にまとめると、ドイツは速度無制限のアウトバーンが作ったハイスピード自動車文化。追い越し車線を200kmでお婆さんがぶっ飛んでいく世界です。交通マナーも非常に良く、トラックや遅い車は右の走行車線を秩序良く走っています。イタリアは、速度制限あるのにハイスピード!(笑) ローマの街中は最悪。一方通行と進入規制のてんこ盛りで帰国後に違反キップが三枚送られてきましたw フランスは、国境に入ったことが明確に分かるほどスピード遅め、クルマ小さめ、おまけに道路脇はゴミだらけで大変汚いです。イギリスは中間ですかね。割りとジェントルな運転で、速度は回りの状況次第という大人な対応。



さて、アメリカはと言いますと、基本的にスピード違反の取り締まりが厳しく、制限速度を超えているクルマがばんばん捕まっています。ほぼ全線フリーウェイで無料なのは嬉しいのですが、最高速度は65マイル(104km/hですね)で20マイルオーバーすると即効で留置場行きなのだとか。道路脇の制限速度表示の標識には "Radar Enforced" というメッセージが付記されていますが、アメリカ在住の知人に聞いたところでは日本みたいな取り締まりカメラみたいなハイテクなものではなく、警察官がスピードガンを構えて測定しているだけだそうです。ただ、結構あちこちで警官がいるんですよ。で、一般道も高速も、警官に捕まっているクルマを頻繁に目撃しました。道路脇に故障で止まっているクルマも多いので分かり難いのですが、停車車両には要注意ですね。なので、後ろからヨーロッパみたいに速いクルマが来るという緊張感がないんですよ。なので日本同様に追い越し車線を遅い車がたらたらと走っていて流れが悪い! 高速の走行マナーはヨーロッパの圧勝です。で、私思ったんですが、アメリカも日本も、最高速度規制はもっと引き上げた方が良いと思います。140kmくらいにすれば、たぶん+10〜15kmくらいの速度で流れるでしょうから、追い越し車線を150〜160kmくらいのクルマが走るのが普通になります。こうなると普通のドライバーは速度に恐怖感を覚えるでしょうから、追い越しレーンと走行レーンの使い分け意識が進んで、結果的に全ての流れが良くなると思います。ただ、道路のキャパを超える数のクルマが走っているとこの理屈も通らない。アメリカで一番、という事はとりもなおさず世界で一番のクルマ社会であるロサンゼルスは、フリーウェイが片道8車線なんてザラです。それでも渋滞する。もうどうしようもない…。ちなみに通勤ルートとして良く使われる区間には、左端にCarpool Laneが設置されています。こういう合理的な仕組みの導入がアメリカの良いところですね。あと、市内の運転で要注意なのは赤信号での右折が原則可能という点です。こちらにアメリカでの運転の注意点がまとめてあるのでご参考に。ビバリーヒルズを走っていて、信号のない片道2車線道路で、皆が顔色伺ってキョロキョロしていたのが笑えました。日本ならさっさと信号付けますな。



クルマ関連以外に気付いたことも幾つか挙げておきます。



1.アメリカは徹底したお金中心主義

 資本主義のメッカですからね。何でもお金です。良いサービスには必ず高い値段が付いているし、安いモノで掘り出し物はまずないと思った方が良い。そして望外のサービスを受けた時はチップで感謝の気持ちを表現するので、結果的に払ったお金と受け取った便益が一致します。日本人的なメンタリティではちょっと殺伐としたところがありますが、ある意味分かり易い。ま、あれだけの多人種・他民族国家は基本ルールを明確にしておかないと回らないんでしょうね。



2.ルール作りが上手い

 これは何度も思いました。上記の「Carpool Lane」にしても、右折禁止可能な原則とか、サンフランシスコのケーブルカーが乗客の体が駐車車両に当たりそうでも運行しちゃってるところとか、全体のルールと個人の自己責任のバランスが良い。日本は全部安全方向、事故が起きない配慮に判断を振ってしまっているので、やたらと無用なルールが多くてまどろっこしい。だから日本の成長戦略は基本的に規制緩和でかなりの部分が解決出来ると思います。自己責任原則を世論に理解させるという大きなハードルがありますけどね。勿論アメリカも全てが上手くいっている訳では無く、初等教育やら銃規制、医療制度に大きな問題を抱えているのはご承知の通りです。最近は財政状況も悪化してますよね。お陰でドル安/円高でラッキーでしたけど。(笑)



3.大らかさ

 これはアメリカ人の特質です。ヨーロッパにもない。あ、イタリア人の明るさは近いか? 何せ細かいこと言いません。多分日本社会に馴染めなくてアメリカ生活を選んでいる人はここに惹かれてるんじゃないでしょうか。逆に彼らが日本に住めるかというと、相当性格を選びますね。体感的には1割以下の人しか日本の細かさには馴染めないのでは? だからこそ短期間に異次元体験を味わえる旅の妙味があるとも言えます。



4.食文化

 これは最低。肉しかありません。(←多分に個人の主観なのでスミマセン) ただ、脂身の少ない赤みの肉はどこで食べても美味しく、毎日食べられます。私はアメリカでもヨーロッパでもどこでも住める自信はあります。シーフードとか、イタリアンとかは基本的にレベル低いですね。イタリア・フランスは街に本当に美味しいレストランが沢山ありましたけど、相当探さないとアメリカでは出会えない。そこをかなり助けて貰ったのが「Yelp」です。アメリカ版の食べログなんですけど、これ実はレストランに限ったレビューサイトじゃないんですよ。ほぼ生活の全てのローカル情報にクチコミがリンクされている。今のところ海外はパリ・ロンドンくらいしかないみたいですけど、いずれ東京にも来るでしょうね。誰もやらなかったらウチでやってもいいなw 私の結論は、「日本ほど食文化のレベルの高い国は世界にない」です。ミシュランのあの星の多さはダテではありません。これを活かす事をもっと真剣に考えるべきですね。



これからの日本は、産業構造を積極的に作り替えていくべきフェーズ。今までの製造業偏重を改め、内需産業にシフトすべきです。既に製造業はグローバル展開を進めているのですから、何も問題もありません。自国の通貨が強くなるのは良いことのはず。観光資源をアピールして、もっと海外から観光客を呼び込みましょう。で、サービス業もドンドン外に出て行く。既にユニクロは世界の大都市に展開を進めて沢山のお客さんが入っていますし、CoCo壱番屋もアジア中心に海外出店を進めています。良い事です。ちょっとおちゃらけですけど、「円高、いいね!」ご一読を。



あまりに長くなったのでこの辺りで。こんな贅沢を許して頂いているスタッフの皆と関係各位に感謝!

スティーブ・ジョブズが退任した日

ついにこの日が来てしまいました。



スティーブ・ジョブズ―ひとつの時代が終わった



1997年に暫定CEOとしてAppleに復帰して以来の彼の業績に文句を付ける人は存在しないでしょう。

潰れかけだったAppleを見事に再生し、デジタルコンテンツのエコシステムを構築し、携帯電話を再発明し、今タブレットデバイスを世に持ち込んでいます。

圧倒的な14年でした。

魔法の様なプレゼンに酔いしれ、ワクワクしながら実際に手にした製品を愛でる楽しみは格別の体験でした。

本当に世界を革新することに成功したんですね。

やせ細っていく姿を見る度、何度かのCEO休職を経るうちに、この日が遠くないことは皆が知っていましたが自身の健康をコントロールする事は彼を持ってしても至難だったという事でしょう。



さて、これからのAppleはどうなってしまうのでしょうか。

林さんのこの記事が的確な分析を述べています。



ジョブズ氏退任に思うこと――アップルは2013年をどう乗り切るか



そして、同じAppleの創業仲間であるもう一人のスティーブのコメントを信じることにしましょう。

彼はきっと僕たちの時代の最高のビジネスリーダーだったと、これから100年先も語り継がれるだろう。これからもしばらくは彼は会社を見守っていく。このままいい方向に進んでいくといいね。企業理念は一朝一夕では変わらないよ。人々の質も変わらないよ。

モントレー・ウィークエンド

長い夏休みを頂いておりましたが、通常業務復帰です。

実は休暇の最後に取材を入れておりました。

それが「モントレー・ウィークエンド」です。

これはカリフォルニア州のサンフランシスコの南、モントレー半島にて夏の一週間クルマ漬けになるイベントウィークの事で、下記の幾つかのイベントで構成されています。





コンコルソ・イタリアーノ

 イタリア車を対象としたコンクール。ラグナセカ近くのゴルフ場を借り切って、何とフェアウェイ・グリーン上にずらっとクルマを並べて展示します! 今回はフェラーリだけで200台以上は参加があったと思います。他にも、ランボルギーニ・アルファロメオ・マセラティ・デトマソといったイタリア車がずらりと勢揃いです。



ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン

 こちらは10ほどのカテゴリーにクルマを分けて、四日間掛けてレースが行われます。但し、そんじょそこらのレースと違いますよ。出場するクルマのカテゴリー規定が、「1940年以前製造のスポーツカー」「ジャガーインビテーション(ほぼジャガーXKE/Eタイプだけのカテゴリー)」「1966年−1983年のF1マシン」「フェラーリGTO」なんてありえない設定なのです。フェラーリGTOなんて、どれも一台10億円以上の値が付くマシンばかり。それで本気でレースするんですよ!? こんな光景見たことないです。



ペブルビーチ・コンクール・デレガンス

 ペブルビーチ・ゴルフ・リンクスというゴルフ場を聞いたことがある方は多いでしょう。全米オープンが開催される全米、いや世界トップクラスの格式を誇る名門ゴルフコースです。何とここの18番ホールを閉鎖して、コース場にクルマを並べてコンクールを開いています! 日本人的な感覚ではありえないでしょ? 芝が傷むとか絶対メンバーから文句出そうじゃないですか。実際傷むし。(笑) そこを割り切って楽しんじゃう。それがもう60年も続いているんですよね。アメリカという国の豊かさと大らかさを感じてしまいました。





上記以外にも、夜にはオークションが開催され、名だたる名車が競りに掛けられます。



RM Auction

GOODING



私はRMのオークション会場で、最高値が付いた競りをリアルタイムで見ていたんですが、異次元ワールドでした。

それはお値段880万ドル(オークション会社のサイトでは手数料が加算されて表示されている模様です)で驚いていたんですが、何とGOODINGでは1,600万ドルの値が付いたクルマがあったのだとか!

凄い!!

ちなみにそのクルマと同じモデルが一昨年のラグナセカのレースでクラッシュしていたそうな。

恐ろしい…。



などと、大変楽しく、また意義のある経験をさせて頂きました。

こういうまだまだ知られていない楽しいクルマの世界が沢山あるんです。

それを皆さんに知って頂いて、楽しみを共有しちゃいましょう、というのが我々の新雑誌「CARZY」のコンセプト。

もうすぐリリースしますので、是非お楽しみに!